ほねのみるゆめ/itsuki
 
の、目玉になったみたいだった。」
彼女はゆめの余韻にひたるかのように長く息を吐きました。彼もまた尾を振りました、少し熱の入ったような振り方でした。
彼女のねむたげにうるんだ目はじっと真上のあばらぼねたちを見つめ、それに触ろうとするかのように腕をのばしました。当然彼女の腕の長さでは届くはずはなかったけれども、彼女はかまわずそうしました。

「ねえ、きっと君にまだ皮があるとき、このあばらの中にまだ贓物がつまっていたとき、君は走る三本角なんかを追いかけて、噛みついて、そうやって捕食したりしたんだろう。」
彼女がそう問いかけました。彼にはじぶんが生きていたころのことはわかりませんでしたが、なぜか
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