ほねのみるゆめ/itsuki
ったの。」
「新しい図鑑で君のことを読んだけれど、君の首回りの羽毛はとてもいかしてると思うよ。」
彼はその度に困ったような反応をしましたが、どこか嬉しげでもありました。
彼女はいつも眠るとき、彼のあばらの中にもぐりこみました。彼は毛布と寝る前のあたたかい牛乳だけ、自分のあばらの中に持ち込むのを許しました。そのおかげか彼女の寝付きは早いほうでしたが、眠れない日には下から見上げた彼のあばらぼねの数をかぞえるのでした。けれども彼女はいまだに、彼のそのほねがぜんぶで何本あるのかわかったことはないのでした。そんな風にして、彼のあばらの中は、すっかり彼女の寝室になっていました。
ある寒い朝
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)