ほねのみるゆめ/itsuki
 
は首を横に振るばかりでした。そうやってしばらく鈍い反応をし続けた彼でしたが、そのページにたどり着いたとき、彼はじっとそれを見つめました。それに気づいた彼女も、同じようにじっとそれを見つめました。
彼女は、あ、似ているなと思いました。そうしてそこに書かれている、おそらく彼の、名前を呟きました。
「ティラノサウルス。」
彼が、ゆるやかに尾を振りました。

彼の学名が発覚した次の日から、彼女は恐竜の本をたくさん買い込んで来て、読みふけるようになりました。それらに書いてあったことを、彼女はしばしば彼に話しました。
「これに載っている君の皮の色、本当はわかっていないんだって。君、本当は何色だった
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