けたたましい静寂の始まり/ホロウ・シカエルボク
のにおいがする、雨が降るのかもしれない、そう思ったときにはもう濡れているのだ、そういうものが真実だ、考えてごらん、傘を差せば雨は忘れられるか?屋根の下に居れば雨は忘れられるか?完全に音をシャットアウト出来る部屋の中に居れば、雨は忘れられるか?答えなど考えるまでもないはずだ―限定しなければアウトラインは存在しない、その領域ではすべてが真実になる、それはあらゆるものを語ることが出来る、それはあらゆるものに形を変えることが出来る、あらゆるものであり、またあらゆるものに成り得ない、おれは立ち尽くしている、それがすべてだろう、おれは…激しく吹きつける風があり、肌を掠めながら通り過ぎていくエンジンがある、そし
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