けたたましい静寂の始まり/ホロウ・シカエルボク
 
そして、一秒たりとも同じ場所に留まっては居ない、何の為に?変化のためにだ、移動していくのだ、変化し続けるために…もっとも、そこに存在する連中のどれだけがそのことに自覚的なのかは分からないが…どちらにしてもおれには必要のないことに違いない、頬を変化がかすめてゆく速度、ぶっ飛んで…だからおれはそれを残そうとする、取るに足らないほんの一瞬の記録として、ここに残そうとする、文字列が変化していく、感情が、感覚が変化していく、おれが変化していく、ぶっ飛んで…ぶっ飛んでいるんだ、それはぶっ飛んでいて、そのせいでひどく静かな感じがする、遮られることがないからだ、それは遮断出来ない、雨のように遮断出来ない、ぶっ飛んでいく、すべてに真実がある、嘘も本当もない、ただただ自動的にセレクトされて飲み込まれていく、けたたましい静寂の始まり、おれはあらゆる感覚であり、またどんなものでもなかった、けたたましい静寂の始まり、狂っているが正常でもある…。




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