キャンディと王様・前章/にゃんしー
 

「うん」
「たぶん、うん」
「……むっちゃおもろかった」
 乙彼と海が、強く頷く。
「だいぶ時間使っちゃったね。今、何時?」
 乙彼がそう言い、壁時計を見上げると、とっくに朝の七時を回っていた。
「えっ!!」
 乙彼は、半分眠りかけている水樹と海を叩き起こすと、制服に着替え始めた。
 朝ごはんも食べずに飛び出ると、阪神電車の千船駅に向かい走る。
 入試開始時刻には、ぎりぎり間に合った。



 入試を終えた後、乙彼は待ち合わせしている学園前駅近くのスターバックスに向かった。
 店中では、水樹はホイップをたっぷりのせた珈琲を片手に、
 椅子にもたれかかって居眠りをして
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