キャンディと王様・前章/にゃんしー
ぅっ!」
という声が返ってきた。
水樹と海が、顔を見合わせ苦笑する。
せわしない足音を立てながら、乙彼が玄関まで走ってきた。
まず目線を海に向けると、顔を綻ばせて嬉しそうに言った。
「えーっ! 海、振袖!? ちょーきれいじゃーん。やばい元旦からいいもの見た」
海はゆったりとした袖を持ち上げるように両手を頬にあて、恥ずかしそうに笑った。
淡いピンクを基調とした下地に、白色の小振りな花が上品なアクセントを咲き、
いつものポニーテールも、こんもりとした花飾りでかわいらしく彩られている。
「おい、乙彼。うちには一言ないんかい」
そう水樹が言うと、ようやく乙彼は目
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