草/葉leaf
。否定が死に孤独が死に傷が死に憎しみが死んだとき、私はその夥しい死骸の上に新しく生まれ変わっていた。さようなら、はじめまして。
――草はようやく花を咲かせた。これまで咲いていたと思っていたのは色違いの葉っぱに過ぎなかった。本物の花が、星々が蜜を吸いに来る花が、アジア・アフリカ・アメリカ・ヨーロッパ、あらゆる地域の草原を埋め尽くした。
詩は世界だった。詩は物語だった。詩は無数の人物の相克の舞台だった。詩は明確に概念を述べるものだった。詩は小説だったし、詩は評論だったし、詩は戯曲だった。立体から平面、平面から線、線から点へと分析される人生のあらゆる細部に、瞬間から出来事、出来事から物語、物語か
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