川柳が好きだから俳句を読んでいる(10、西川徹郎のこと)/黒川排除 (oldsoup)
 
 父の肛門へ葬花詰め込むまっぴるま
 兄鳴いている近江の寺を嘴に
 殺されてから叫ぶ弟箒星
 紺のすみれは死者の手姉さんだめよ

 おそらく、という他はないが、彼が俳句の中で虐げ嬲り殺しているブツは、関係性の中に配置されることで尊敬へと昇華される。なぜならば彼は経歴の中のやや後半にあたる部分で母と兄を喪っているが、その前からも作品の中では陵辱しているし、その後も陵辱している、そしてその後に至っては、陵辱の度合いをさらに深めているからだ。

 波止場まで永田耕衣を引き摺り歩く

 永田耕衣というのはざっくり言うと禅的な句を書くかっこいい俳人だが、ここでもやはり確信できる、西川徹郎の
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