川柳が好きだから俳句を読んでいる(10、西川徹郎のこと)/黒川排除 (oldsoup)
 
月夜ゆえ家の中じゅう秋津です
 月夜ゆえ佛間の中じゅう秋津です
 月夜ゆえ厠の中じゅう秋津です
 月夜ゆえ抽斗の中じゅう秋津です

 どうでしょうか、酷くないッスか? というアタリの強い言葉で示してやりたいのが西川徹郎という俳人である。おれが連作みたいなのズルいなと普段思っているそのズルさを徹底的にデフォルメしたような作品群である、しかもここに抜き出したのは一部なので、これが倍の量ほど続くし、この先も小休止を挟んで同じような反復めいた俳句が延々と続くわけだ。場面としてみれば、ああ、裁判所とか郵便局とか、中七に当たる部分が長くなる時だけ、「です」は切ってるんだな、芸が細かいなと感じるだけの
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