メーピスカリャー/末下りょう
 
に穴をあけて
ぼくは
蹴飛ばして、首を掴んで
どっかにぶん投げる
猫じゃらしで
遊んで
裏庭で競争して 、
一緒に
木に登る

少し大きくなると、虫や鼠や雀を
くわえてきた
たくさんの蜂と
闘ってる姿を
見たこともある

メーピスカリャーは 、
帰りが遅い日は
怪我をして
帰ってきた
ママンは、その傷を
いつも讃えた
この子は生まれながらの戦士だと 、
あなたも強くなるのよって
ぼくを抱きしめた

(猫のあいだの猫は、ジャングルの中での忍び足の影だ。猫は人間を信頼している。でも猫のことは信じない。それはぼくらよりも猫のことをよく知っているからだ)
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