風花の散るを/黒ヱ
だ見ぬ泣き顔で言った 少女
「会いにいくよ」 と 黒い烏
待つ時間と 訪れる時間 残酷に違い
「ねぇ これだね」
そこに愛が声上げて
吹き止むことのない筈の吹雪 いとも簡単に止めたのは
健気な熱を帯びる 裸足の迷い子
違い過ぎる それが心地よくて 近づきたい
初めて震える まだ伝えてない気持ちが
「幸せを数えたら 指が足りなくなった」
これまでと これから
そう言ったので また そう言いたい
寄り添う 握る手を今度は離さないと誓って
眺める また同じ空を 違う目で
振り向きはしないふたりに 駆けてくる 新たなひとり
明けていく空に 映え
互い
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