されど、死ぬのはいつも他人/藤原 実
高橋康也は『ノンセンス大全』(晶文社)で、
When is a door not a door? (ドアがドアでなくなるときはどんなとき?)
When it is a -jar. (半開きのとき)
という、《半開き(アジャー)》と《壺(ア・ジャー)》による地口のなぞなぞを紹介して次の
ように言います。
「われわれは当然のように《ドア》という言葉を、《ドア》という《音(シニフイアン)》
(口承民謡では書かれた字の《形》としての意味するもの(シニフイアン)は問題にな
らない)と《もの(シニフイエ)》が一致した《記号(シーニユ)》と思いこんでおり、
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