二十歳(はたち)のエチュード/草野大悟2
 
お湯をわかし
あなたはひまわりのマグ
わたしは背の高いグラス
お砂糖は
あなたが2つ
わたしが1つ
さっととかして飲む朝のコーヒー
冷気にふるえながら
湯気たちのぼる朝のコーヒー
ゆらゆらゆれる
こうばしい香りただよう朝のコーヒー
喉をうるおし
朝の光の色を
運んでくれた
あたたかいコーヒー

ぷるん と身震いして
朝の光は
わずかに色づいた木の葉の上
朝露の溶けやらぬ
しっとり濡れた林の道を
歩いてゆく。
澄んだ大空へ
飛び立つ光

こうしている私たちが
何と不思議に思われたことか。

二人して撮った写真も
新しいつくりの博物館も
手に
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