とりとめもないものは/ホロウ・シカエルボク
も必要はないから、ただただ集められるだけ集めて、遺灰のようにどこかへ撒いてください、美しい景色なんかじゃなくても構いません、果てしなく広がる海なんかじゃなくて…ただもうどこの誰にも踏まれないようなところならどこだって構わないのです
日付変更線前の人気のないとある堤防沿いの道を一人の女が歩いていた
それはバルコニーで力なく叫び続けている少女の母親
もともと少し精神を病んでいた彼女は可哀想に少女が居なくなってからすっかり壊れてしまって
夜毎少女の姿を探してあてもなくさまよい歩いていた
あの子はいったいどこに居るのだろう、どうして私のもとに帰ってきてくれないのだろうと思いながら夜通し歩
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