屋上/きとり
 
を登るのは。



何度も落ちてひどい怪我もした。


だけど小学校を卒業するまで何度も懲りずに登っていた。


そこからは通ってた小学校の校舎と校庭が見渡せた。


その景色もそこに通う理由の一つだったと思う。



校庭の遊具で遊ぶ子も、サッカーをしている子も、


こっちからは分かるのに、


自分がここにいるなんて誰にも分からない。


それがとても不思議な感じで、自分の世界とあっちの世界で、


何かに隔てられているような気がした。


その感覚を味わうのがおもしろかった。



小学校の卒業の日、泣いてる皆を見て笑
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