つまりデートコース、/片野晃司
り合いながら、いまここでそれを確かめることはできませんでした。つまりわたしたち、沸き立つ内臓の狂乱をひそかに押し隠しながら、放物線を描く遊歩道があり、適切な速度があり、絶え間なく飛び掛り襲いかかる視線があり、切り苛まれるような筋肉の欲情があり、息詰まる草花たちの体臭と湿度、そしてまた襲い掛かる視線、そして磨き込まれ輝かしく地平から立ち上がる凶器たち、つまりそのなかでわたしたち、残された時間について語り合いながら、いまここでそれを確かめることはできませんでした。つまりわたしたち、炎の這い回る遊歩道で爪先を躍らせながら、傾斜していく日差しの角度に赤々と押し潰されていくようでした。つまりわたしたち、その
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