九九と私と/aida
赤いペンのチェックマークに
筋違いな憤りまで覚えて
それからの日々
できるだけ数字とは
関わらずに生きてきた
テレビのチャンネル
人の誕生日
電話番号
郵便番号
暗証番号
電車の発車時刻
体重の増減も
しまいには自分の歳さえ
最近はあやふやなほど
そして私は日々の中
何かを美しいと思い
何かを醜いと思い
何かを嬉しいと思い
何かを悲しいと思い
出会うもの全てに
心を動かして
右に振れたり左に振れたり
瞬間瞬間に心の答えを選んで
長いような短いような年月を重ねて
そしてなんと発見した
だんだん分かった
いつも何度でも
どうして
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