九九と私と/aida
しても自分が
何を美しいと思い
何を醜いと思い
何を嬉しくて
何を悲しいのか
その選択の傾きは
幾つもの道筋と物語を経ているのに
一つところに落着しているようだと
すり鉢みたいなところに
色とりどりの玉を投げ込むように
色は違って
大きさも違って
回る軌道も違うけど
みないつも底の穴に消えていく
これは計算に似ている
2に2をかけるといつも4
今日も明日も明後日も
私というすり鉢に
世界を投げ込んでも
いつも同じ答えの出し方
今日も明日も明後日も
誰がなんと言おうと
誰も何も言ってくれなくても
みんなとどれほど違っても
どうしてもどうしても
そうだ!どうしても
同じになってしまう!
九九みたいに!
そんな私とそんな数字
お互いきっとわがままで
頑固で譲らない性格
横目に見ながら
仲良くはならないけど
これからは時々きっと少し微笑む
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