いつか、降る/千波 一也
に
きみの周りの
きみに
鳥とは呼べない
閉じられた夢
風とは呼べない
偏重の記憶
いつか、降るだろう
憂いと妬みと自己愛と
逃れと責めと他人顔
頼みと縛りと自己愛と
秘匿と保守と他人顔
ひとつの国が
ひとつになることは
難しいことではない
固まり方さえ
問わないのなら
難しいことではない
けれど
涙とは呼べない
大粒な渦
嘘とは呼べない
周到な罠
いつか、降るだろう
いつか、と言わず
もうじき、
すぐにも、
落とされるかも知れない
慣れてしまえば良い、と
言えなくもない
完全には
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