いつか、降る/千波 一也
 

きみの周りの
きみに

鳥とは呼べない
閉じられた夢

風とは呼べない
偏重の記憶

いつか、降るだろう

憂いと妬みと自己愛と
逃れと責めと他人顔

頼みと縛りと自己愛と
秘匿と保守と他人顔

ひとつの国が
ひとつになることは
難しいことではない

固まり方さえ
問わないのなら
難しいことではない

けれど

涙とは呼べない
大粒な渦

嘘とは呼べない
周到な罠

いつか、降るだろう

いつか、と言わず
もうじき、
すぐにも、
落とされるかも知れない

慣れてしまえば良い、と
言えなくもない

完全には
[次のページ]
戻る   Point(4)