ぼくがそれをやりたいわけは/ホロウ・シカエルボク
 
がらね、だけど厄介なのはその頃になっても、何を探して彷徨ってるのかまるで判ってないってことだった、うろうろしているうちにいつのまにかぼくは三十を超えていた、あの時はずいぶん悲嘆にくれたものだ、ビートルズだってそんなこと歌ってたしさ…


でもそれからが楽しかったんだ、その頃はずいぶん寒いところに住んでて、女の子と一緒だった、そんなに可愛い子じゃなかったけどとにかく寝るのが好きな子で、具合のほどは申し分なかった、働いてない時間のほとんどはほくたちはベッドにいた、そんなことしてたら当然赤ん坊だって出来るよね、「お腹が大きくなる前にウェディング・ドレスが着たいわ」なんて彼女が言うものだからそれも
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