【レビュー】雲雀料理11号の感想 4/4/mizu K
くように絵の動きがある。木の右下の葉先、地面近く、いちばん下の枝の先のあたりに小さな人物あるいはぬいぐるみか人形のようなものがあるが、これは見まちがいかもしれない。
今度は左側に視線を転じてみよう。絵の左側の大半を占める部分には大きな風の流れがあり、それが冒頭の人物あるいは犬たちにむかって吹いており、それが私たちの視線を人物たちに自然と集中させる効果をあげている。もうすこし念入りに見ていくと、つぶつぶとしたものが無数に見てとれ、どうやら植物のようだ。稲または麦、あるいはそれに類する人の腰くらいまで高さのある植物が、ざざあぁっと風になびいている。宵闇に草木の湿った匂いが鼻にとどく。そして絵の右
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