ぬくい/るるりら
 

「ところで あのクイズの答えは解ったか」と聞かれた。
わたしは 黙ったまま お爺さんについてゆく。
水田の周りの側溝が 階段のような形状になっている。
田んぼを 回っていると あのクイズの形が頭の中をなんどもよぎる。

お爺さんが 水門を開く前に 水の温度を確かめてから、
触れろという。――“ぬくい”

水路に温んだ水が あふれ
次第に水田にも 水が 満々と張られてゆく
棚田の水を雲が流れる。そして、あの文字に それらは似ている。



田田田田
回回回回
田田田田
田田田田
回回回回
田田田田


田の周りの水路は階段状に なっており、
魚が水の
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