ぬくい/るるりら
水の階段をのぼり 田を巡る。
台風の日には 水が あふれ
行方不明者が出たときは、村人たちは少女は魚になつたのだと 慰めあい、
私は 村人の弔いの日にも クイズの答えを探す。
ある日、おんなの人が突然
わたしを訪ねてきた。 そのクイズの答えは 雷の音だと
おんなは しずかに言った。この字は 雷の音を示しているのだと おんなは言う。
「わたしは 雷の日に死んだのですが、
いっしょに暮さないですか?」と おんなは言う。
「雷の音だと お爺さんにはなせば それだけで あなたは自由です。」
「自由に死んでも いいんですよ。」
おんなの手は 温くて、
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