【レビュー】雲雀料理11号の感想 3/4/mizu K
 
の微生物のなかに「粘菌」が含まれていてもおかしくはない。体内に入った食物は、当然分解され、吸収されなければならない。そうすると作中の「粘菌」は、分解者としての役割をになっていると考えてもいいだろう。

地下鉄を日常的に利用する詩の語り手は、単純に地下鉄を移動の手段として利用している。地下への階段を降り、改札をぬけてホームに立ち、やってきた列車に乗り込み、がたごとという振動と悲鳴のような風切り音を聞いて、数駅を過ごして、目的のホームで降車し、歩き、改札をぬけて階段をのぼり、出口から地上の喧噪のなかに戻る。晴れていれば陽射しが肌をさす。そしてそこから目的の場所へ歩く。靴底をすりへらして。


[次のページ]
戻る   Point(0)