【レビュー】雲雀料理11号の感想 2/4/mizu K
のなかに沈んで、くらいなあ、なにも見えない聞こえないなあ、太陽も月も星も何回まわったかなあ、息もできなくて苦しいなあ、でもまあいいか、と思いながらなんとか生きていく、とりあえず食っていかなきゃならん、ということであったりすると思う。
日々の生活の中では当然激怒することもあり、悲嘆に暮れることもあり、絶望にうちひしがれることもある。だが外を歩いているとき、人々はあまりそういう感情を表に出さない。たとえば、いま電車の向かいの席に座っている人が、もしかしたら借金抱えて首がまわらず今日中に死ぬ覚悟を決めているかもしれないなんて、こちらは知るよしもない。たとえそれを知ったとしても、そこで心みだれること
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)