【レビュー】雲雀料理11号の感想 2/4/mizu K
 
り手の回想が「伸び縮み」して、やや厭世観をかもしながら、あっちふらふらこっちふらふらしつつも、それは空間的、時間的、生物的その他もろもろの境界を飛びこえてどこか超越的になりながらも、その後語り手のもとへまたすとん、と着地してくる。そのたしかさ。不安定ななかの安定感。どこか迷いながらもそれにのみ込まれず、どこか一歩はなれている視線の柔軟な印象。将棋でいうなら「5二玉型中原囲い」(わかりにくいたとえだ……)。

そして詩の語り手の視点の立脚点がどこにあるかというと、私たちの日常ってなんて輝いてるんだろーウフフフフ的なものではなくて、もうすこし本質的な部分というか深層において、生命の生き死にの沼のな
[次のページ]
戻る   Point(1)