人と蛇の寓話/まーつん
 
の敗者の屍に築いた
 栄光の戦績

 穢れたものばかりだったが
 俺の胃は丈夫でね
 
 おかげで、お前さんの魂は
 未だ無垢を保っている
 色と欲に溺れながら
 その顔は少年のように爽やか

 権力の座につき
 女達の愛を勝ち取り
 幾多の国々を征服し
 俺との間に交わした契約で
 お前に約束したすべてが
 今、その労苦を知らぬ手に
 渡りきった

 さあ、今度はこちらの番だ
 見返りに、お前の魂をもらう時だ ゛

青息吐息の私には
靴を脱ぎ棄てるのも大儀だった
それでもなんとか、汗ばむ背中を
椅子にだらしなくもたげ
両足を、テーブルの天板に乗
[次のページ]
戻る   Point(6)