人と蛇の寓話/まーつん
の敗者の屍に築いた
栄光の戦績
穢れたものばかりだったが
俺の胃は丈夫でね
おかげで、お前さんの魂は
未だ無垢を保っている
色と欲に溺れながら
その顔は少年のように爽やか
権力の座につき
女達の愛を勝ち取り
幾多の国々を征服し
俺との間に交わした契約で
お前に約束したすべてが
今、その労苦を知らぬ手に
渡りきった
さあ、今度はこちらの番だ
見返りに、お前の魂をもらう時だ ゛
青息吐息の私には
靴を脱ぎ棄てるのも大儀だった
それでもなんとか、汗ばむ背中を
椅子にだらしなくもたげ
両足を、テーブルの天板に乗
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