【レビュー】雲雀料理11号の感想 1/4/mizu K
 
みよう。もしも私がある物事をすすめるにあたって、それに懸命に取り組んでいるとする。けれども、自分がその渦中にいると、あまりにもまわりがみえず、その案件がほとんど終わりをみせるときになってようやく、はた、と気づいて、ああ、あのときああすればよかった、こうすればよかったと後悔して、ぶつぶつと煮えきらない思いをいだくことがある。それを現代社会に置換してみると……、というのはあまりにもありきたりな方法かもしれないが。しかし、〈ずっとそばにいたことに気づいた〉のは、〈詩句の終わりにようやく〉至ってからであった。私たちはまだとりかえしがつくのだろうか。

というのは、私はこの作品にすこし政治的な含みを感じ
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