【レビュー】雲雀料理11号の感想 1/4/mizu K
は、たとえば書き手が、詩全体の印象を大きく特徴づけるタイトルの提示を回避することによって、読み手になるべく先入観をあたえないように企図する場合が、ときとしてあるように思う。この詩においては、私たちはタイトル(の箇所にあるべき1行)と、それに連なる1行目を、「詩句の終わりにようやく/詩句の終わりにようやく」と詩の語り手のつぶやきを2度聞くことになり、その反復される詩行のリズムにみちびかれて、作品のなかに分け入っていく。括弧でくくられているがゆえにそのつぶやきはさらにか細い。そのような詩の語りは、気をぬけば聞き落とすほどのかすかな声でなされるのだろう。ゆえに読み手は聞きもらすまいと注意深くその声に、耳
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