【レビュー】雲雀料理11号の感想 1/4/mizu K
くは白、土の茶色、骨と毛には白が見える。『無言歌 v 』の「赤と黒」から、『vi 』では「緑と白」と、色相的にも補色というか、対峙するものを用いて真逆の色のつかいかたを見せている。白い色にはたとえば、空漠のイメージ、静寂のイメージがあるが、「静寂」という語は非常に安定的な印象がありながら、たとえば上下左右がすべてまっ白でなにもない空間にぽつんと放り出された場合、気圧された感覚や、つよい不安感をいだくこともあるかもしれない。
ところで、〈氷の上で暮ら〉すことになるのは、別に人でなくてホッキョクグマであってもいいのかもしれない。もうこの歌をうたっているのは人でなくてもいい。喉
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