【レビュー】雲雀料理11号の感想 1/4/mizu K
 
ちのすぐそばにいながら―現に今この瞬間にも私たちのすぐ背後に立って一緒にディスプレイをのぞきこんでいる可能性もありながら―、その知覚できないという点において、私たちともっとも遠いところにいる。それから見方をかえれば、それら並列されたイメージのタペストリとでもいえばいいだろうか、この作品では並べられたものものの「遠さ」というものが意識されて織りあげられ、形づくられているように思う。全体としてはひとつの作品であるけれども、その縦糸と横糸は限りなく遠い。そうなると最終行の〈きみ〉ですら、遠い。

ところで冒頭にもある風船が破裂するのはなにゆえだろう。仮にそれを透明人間の仕業だとすると、その行動は、誰
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