病床のドッペルゲンガー/yamadahifumi
 
ていなかった

君は皆にとって正しいと思われた事を

誤って掴まされた歪んだ存在だ

だから君の人生はかくも幸福で

そして、こんなにも空虚なのだ

・・・もう一度言おう

君の人生に意味はなかった

・・・ただのひとかけらもね

だから、これからは私の番だ

さよなら、『以前の私』

安らかに眠れ」

そう言うと、もう一人の私は

そっと私に冷たい手を差し伸べてきた

そして、その手は私の首を掴み

そして私の首は次第に絞め上げられていき

・・・やがて私は意識を失った


                     ※

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