空にさよなら日記/八男(はちおとこ)
 
スッピリカンカンには宿がずらっと並んでいる。飲食店も豊富だし銀行もある。便利だ。   
  着いてさっそくコニシというチョンビーナ風屋台焼きそばと豚の串焼きを食べた。
  昔、関ヶ原の合戦の後逃走した小西行長が船でやってきて、この国に焼きそばを広めたという伝説からコニシという名になったそうだ。
  
  ぺろよんの部屋はドミトリーの四人部屋で、先客は一人だけいるようで外出からまだ戻っていない。何が待ちかまえているのかさっぱりわからない。白いブリキの板に、日本語でぺろよんとただ黒く書かれている看板があほらし過ぎて、思い出し半笑いの中、眠ってしまった。
  
  朝、目覚めると、日本人男性
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