空にさよなら日記/八男(はちおとこ)
 
転手のお気に入りなのだろう。ノリのいいチョンビーナのロックっぽい音楽が、ばんばか流れている。田舎の南国のロックって感じで、しかしどこかに千昌夫の北国の春が入り混じっているような演歌っぽさがある。荒削りの音符がひらひらとアットランダムに、ネンキの入ったスピーカーから飛び散っている。それが、ぺろよんまで無事に着けるかという、これから一時間以内に解決するであろう不安と、外の景色と、窓から入ってくる暖かな風と、いい感じで入り混じっていた。
  
  スッピリカンカンに着いたとき、バスの中のみんなが笑顔で拍手してくれた。オープニングセレモニーとしては上出来だ。白人の男は降りなかった。
  
  スッ
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