空にさよなら日記/八男(はちおとこ)
ものに会いたい、それが異国だと会える。おかしな話だ。
他、沢山の想念が浮かんでくる。よく乾いた晴れの日に洗濯物が風に気持ちよく揺れている風景。それはすぐに現実となりそうだが。期待で洗濯物がいっそうぺらぺらと揺れる。
あと、一輪の花とか浮かんでくる。赤いバラっぽい花だ。ふにゃふにゃな花だ。
バスは火にかけた釜のふたのようにカタカタ揺れている。古いバスだ。外国人は白人とぼくの二人だけで、あとはこの国の人だ。みんな色鮮やかな民族衣装をまとっている。
胸の中央に太陽の紋章が大きくデザインされているが、それがどことなくアンパンマンに似ている。烏帽子に似た、松茸の形をした帽子を
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)