空にさよなら日記/八男(はちおとこ)
 
最初はすぐにでも噛みつかれそうな雰囲気がした、あの恐怖感と、ジャングルジムのてっぺんだとか、高所にいる恐怖感とはどこか通じることはないだろうか。だいぶ違う気がする・・・
  
  こんなにだらだらしていていいのか?いいのだ。油断だらけ。ぼーっとした日々の連続で、体内が、五感が、油断で恍惚としてきた。
  日本にいて、組織の中にいて気にしてきたことは一体なんだったのだろう。コンビニのバイトで一緒に入るとてんで動いてくれなかった谷中という男の残像など、あと一息で消し飛びそうだ。会社に入ってからもやはり谷中のような奴はいた。
  あれはなんだったのだろうというくらい、今はモノサシが、串焼きの肉が
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