空にさよなら日記/八男(はちおとこ)
あ、でもこの繋がれてる鎖とかやっぱ、無理やりだしかわいそうですよ。でも、嫌いじゃないですよ。茶室みたいで。」
「は?なに言うとんねん?」
自分でもわけのわからないことを言ってしまった。自分で言っておいて、何が茶室なんだろうと思った。
けれども、この感じは、茶室と繋がっている。こうやってどぶんと風呂に浸かって鳥を見ていて、なんだかあの茶室で、お茶が喉に注がれているような、そしてこの鳥の長い首の中にあるトンネルのような喉にすーっとお茶が流れ始める。そして喉の中盤あたりにのど飴の破片が引っ掛かっていて、溶けていく。ああ、温かく爽やかで、気持ちいい。そんな感覚になった。
今、ぼ
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