空にさよなら日記/八男(はちおとこ)
 
いいが、それを代償に、わざわざ失くさなくてもいい友人まで失ったのだろう。でも、ついつい嘘を言ってしまい、終いには自分を自分で笑う。そんな結論に至ったのだろう。
  
  もう一回浴槽に入った。いい湯加減だ。なんか、食われてしまうと思っていた鳥がそうじゃなくなったと思うと、とても愛らしく思えた。よかったね、鳥さん。嘘で。でも、嘘をつく人はいけないね。生きてるっていいね。ほんとに、この川鵜に似た鳥、かわいい。

「海万君、もう何言っても信じてもらえないかも知れんけど、こっちじゃこうやって鳥と風呂に入るんよ。一家に一匹は飼ってるよ。なんかええやろ、フレンドリーな感じするやろ。」
「ええ、まあ、
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