あのころ/草野大悟
てた俺は
学生集会で叫んだ
−講義が受けたい!!
教授たちは
日頃の物知り顔はどこへやら
ウロウロと
三十以上も年下の若僧どもを
扱いかねていた
キャンパスには
人の道を説く原理研がいた
民青がいた
革マルが 中革が いた
国家社会を論じる
果てしのない渦巻きが満ち
売店では
百五十円のマルクスが
笑っていた
そんな日々だったから
俺は尋ねてみたんだ
革マルの闘士に
現代日本社会の矛盾点
彼らの目指す国家などを
明確な答えは返ってこなかった
ただ 社会のデタラメサばかりを
指摘し続ける彼の言葉に
俺は辟易し
やたら
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