殺しに至る感情のライン (Circle)/ホロウ・シカエルボク
は足元の暗闇の中で死んでいく、人間のままじゃ駄目なんだ、人間のままでは思うようには叫べない、岩だらけの固い地面を殴り、いらつき、そしてまた血が流れる、傷ついた拳から、スタッカートの音符に従うように、規則的なリズムで…詩のあり方は血のあり方だよ、死のあり方がそうであるのと同じようにね、暗闇の中で誰かが囁く、さっきから俺に囁き続けている、俺は耳を澄まし、そいつの位置を確かめようとするが、一向につかむことが出来ない、無駄だよ、とそいつは言う、私には位置がないんだ、君が個であるのと同じように、私には位置がないのだよ、あんたは誰だ、と俺は尋ねる、神なのか、と―こんな忌々しい言い方はしたくないが、あんたは神な
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