太一の決断/MOJO
しづつ溶ける氷が混じりあう。見つめていると、それは粘度を帯びてくるようだった。と、氷が溶けてグラスがカランと鳴った。辺りにタバコの煙より密度の濃い霧のようなものがたちこめ、それが晴れると、十センチ大の小さな女性がカウンターの淵に座り、脚をブラブラさせている。
「やっぱりでた。君はあれかい? あのティンカーベルの仲間? ピーターパンの友達の」
妖精らしき人は、ぷいと横を向く。
「あれ? なんか怒っちゃったよ、このひと」
「太一がデリカシーのない態度をとるからよ。ね、妖精さん」
「もう! いきなり超有名なティンクの名前をだされたら、誰だって不貞腐れるわよ。あなただって、エリック・クラプトン
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