太一の決断/MOJO
 
トンと友達? なんて訊かれたらびっくりするでしょ?」
「そりゃ、そうだ。でも、おれは妖精なんてティンカーベル位しか知らないもんでさ。気を悪くしたなら謝るよ」
「もういいわ。私はジル。まだ修行中の妖精なの」
「おれは太一、ここの常連なんだ。ところで、修行って、どんなことをするんだい?」
「それはね、私たちの棲む世界に、人間を連れてゆくこと」
「へえ、面白そうじゃん。おれじゃ駄目かな?」
「あなたは、色んな意味で合格だけど、いいの? あっちに行っちゃったら二度と同じ姿で戻ってくることは出来ないのよ?」
「うーん、それは困る。ちょっと怖い」
「でも、あなたなら適任だと思うんだけどなあ、あ
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