大きな木になったムーア/つきのいし.
の瞬きは 風のように勇気を吹きこんでいますよ)
冬はこう言いました
(手足はなくても あなたの歩みは 海のようにしっかりと流れていますよ)
自然はこう言いました
(服はなくても あなたの姿は あなたらしい誇りをおおっていますよ)
時間はこう言いました
(親はなくても あなたの在り方は 結ばれた星々の落果した隕石のように 実のっていますよ)
長い休みが明け
つくしんぼの芽吹く季節が やってきました
子供たちはめいいっぱい遊んでいます
ところが
教室にも学校にも どこにも
隅々を探しても
ムーアの姿はありません
子供たちは ムーアがいたことさえ記憶のなかから
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