大きな木になったムーア/つきのいし.
 
から消えているように笑っていました

ただ 昼休みになると 誰かしらいつからか 
そこに それまではなかった 校庭の大きな木のそばに 
みんな集うようになりました

大きな大きな木は、枝を大空にはりつめ 根を大地にとどろかし 葉を大きく波打たせながら
サーサー
サーサー
サーサー
と、
まるで透明な根っこの 透明な枝の 透明な葉で
こころ豊かな子供のように
ずっとずっと鳴いていました。




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