大きな木になったムーア/つきのいし.
っていました
どんなことをすればムーアが異変するのか
ムキになるように子供たちは
それでも やめようとしませんでした
しかし どんなことをしてもムーアは泣きません
春はき 夏をこえ 秋はとおり 冬をむかえ
ムーアは教室のなかでどんどん透明になっていきました
どんどんどんどん 透き通っていきました
誰もがムーアを無色にしていったからです。
春はこう言いました
(声はなくても あなたのことばは鳥のように翼を開いていますよ)
夏はこう言いました
(顔はなくても あなたのほほは 林檎をもいだ香りのように漂っていますよ)
秋はこう言いました
(目はなくても あなたの瞬
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