中等熱/くみ
 
もし死んじゃったらどうしようって思って……だから一生懸命2日間徹夜して折ったの」

「俺、死なねーし……勝手に殺すな」

「ごめんなさい……」

項垂れている恋人の腕に抱えられた千羽鶴は丁寧に折られていて大きさも均等、しかも色を揃えて7色というなんとも豪華絢爛な千羽鶴である。

俺は自分の部屋だと何だか心細かったのでリビングのソファーベッドに寝て毛布を沢山身体に巻き付けている。
暖かい部屋の中とは対称的に窓から見えるどんよりとした薄暗い空や中庭がいつの間にか冬の顔になっていた。

「ごめんね。迷惑だったら持って帰るから……あ、林檎もポカリも買ってきたから置いてくね」


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