詩を救うための音楽??榎本櫻湖『増殖する眼球にまたがって』/葉leaf
ード会社などの側でも、そのような大衆の志向に合わせることで商業主義の本質である利益追求の目標を満たし、または宣伝やイデオロギー操作によって大衆を供給側の都合の良いように管理していく。そのことによって、大衆は表面的には豊かになったかのように思える。余暇の時間を分かり易い作品の心地よさで満たし、疲労を回復してまた労働に向かう。だが、芸術作品の深い享受が失われていることは間違いがない。よく言われるように、作品は感覚のみによって捉えられるものではなく、知性や教養の裏付けがあって初めてその本来の在り方や深みを捉えることができるものである。簡単にわかりそうなものであっても、享受者の側にある体験の豊かさや芸術に
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