おいでよ、虫食いの予感 (かしゃ、かしゃ、ずるる)/ホロウ・シカエルボク
 
聞いている、別にそんなやつらに興味など、無い、だがそうしているより他に仕方が無いのだ、奴等が食事を終えて俺の頭蓋を元通りに塞ぐまで、俺は身体を動かすことが出来ない、動くと脳味噌まで寝床に垂らしてしまうからだ、奴等は脳味噌には興味は無い、小さな穴に小さな口を入れて脳膜だけを吸い上げる、かしゃ、かしゃ、ずるる…俺はその音を聞きながら、こいつらが初めて現れたのはいったいいつのことだっただろうと考えを巡らせる、だけどいつもうまく考えられたことが無い、思考は断片的に欠落している、いつも必ずそうなのだ、たぶん頭蓋骨に穴が開いているせいさ、そのせいで思考に欠陥が生じているのだ、かしゃ、かしゃ、ずるる、文字通り虫
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