列挙する能力 詩と向き合う/葉leaf
 
流れがあり、詩行はそれに沿って縦の進行をしています。ここには、イメージの飛躍や空間的な広がり・断絶はそれほど感じられません。誰かが合図を送りそれが理解されることはよくありうることであり、合図と理解されることの間は連想によって容易に接続されます。また、合図を受け取っているのはせいぜい広場の周囲の風見だけであり、それほどの空間的な広がりはありません。また広場と風見は近接しているため、そこに空間的な飛躍・断絶も少ないのです。
 それに対して、初めの引用部では、「血の流れる場所」というそれだけの条件の下、「青髭の家」「屠殺場」「円形競技場」が並列的に列挙されています。これらの場所に共通するのは「血の流れ
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